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恋愛論にうなずく [エッセイ]

映画にもなった絵本『あらしのよるに』。
オオカミとヤギの種を越えた友情を描いています。
えさであるはずのヤギと仲よくなってしまったオオカミのガブと
ヤギを食べる天敵のオオカミと仲よくなってしまったヤギのメイ。

メイを食べたい本能を押さえつけて葛藤に耐えるガブと
食べられるかもしれない危険を承知の上、
ガブの前で無防備な姿をさらけだすメイ。

これらの設定やキャラクター、ストーリーから
男女の恋愛の構造に当てはまる例がいくつも挙げられています。
ガブを人間の男性、メイを女性となぞらえて展開されています。


あらしのよるに―恋愛論

あらしのよるに―恋愛論

  • 作者: きむら ゆういち
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2005/11
  • メディア: 単行本


今までの数少ない経験に照らし合わせて
なるほどと思えたり、安心できたりする箇所がいくつか。

けんかをして、仲直りを繰り返す、
そこから理解が深まり本当の恋愛が始まるというもの。
いままで外部の人だった恋人同士が
結婚したりしていっしょに暮らすようになると
身内として、いままで見えなかったところが見えてくる。
育った環境がちがうんだから、違いがあって当たり前で
気に入らない面が絶対にあるはず。
ガブとメイも、それぞれの群れを追われていっしょに逃げた後
互いのちがいが目についてしまい
ちょっと関係が悪くなります。

うちはその手のけんかが多いほうなので
いつも、ダメだなぁ・・・と思っていたところなのですが
これを読んで安心しました。
けんかをしたことがない、という人たちを
ほんとうにすごいなと思ってました。
しかしけんかをしたことがないなど、
どちらかが自分を抑えているわけであって
本当に理解し合っているといえるのだろうかということなんですね。

うん、うちはたしかにけんかは「本気で」やる!
本音しかださないし自分の主張しかしない(笑)
これでよかったのか!?


動物も人間も、社会はやはりメスが中心。
人間の考えた男尊女卑などは
わざわざ「男のほうが偉いんだぞ」と言わなければ
男が偉くなれないことの現れなのだそう。
男性を立てていい気分にさせつつ
実は女性が実権を握る
というのがうまくいく秘訣らしいです。





ガブが、食べたい、でもがまん、
と葛藤しているのは
メイが「守ってやらなきゃ」、
という雰囲気を醸し出しつつ身を委ねているからで
しかし実際には主導権はメイにあるという。

離れていく相手を自分から追いかけると
戻ってきてはもらえない・・・とか。
追ってくる相手からは逃れたい本能があるから。
・・・そうかもしれない・・・

この恋愛のためならすべてをかけられる、
という本気の気持ちになった瞬間こそが価値があるのであって
あとはその恋愛が成就しなかったとしても
モンダイではないのである・・・
・・・そうだと思う・・・

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