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愛のドレイ。 [マンガ]

赤ちゃんとは、
暴君なのでしょうか、
専制君主なのでしょうか。

授乳、離乳食、おむつ・・・
だけじゃない!
布団等の平らな所に寝かせると泣くんですよ。
全身で、
こんな小さいからだのどこからそんな大声が出せるのか、
という音量で。
だから彼らを泣かせないようにするには
欲を言えば、笑わせるためには
まさに片時も離れず、
つきっきりでつき添わないといけないのです。
コトバを持たぬ彼らのキモチ、
忖度して慮ってなだめすかして・・・。

あかちゃんのドレイ。(1) (ワイドKC)

あかちゃんのドレイ。(1) (ワイドKC)

  • 作者: 大久保 ヒロミ
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2006/09/13
  • メディア: コミック



子どもを産んだら母はドレイになるのだ
という、被害妄想に彩られた育児エッセイマンガです。
あるある、とは思うモノの
そこまで悲観そして卑下しなくともよいのでは、
とあきれかえってしまうあたり
ピロミさんに比べたら
わたしは女王への忠誠心が足りません。
女王様が泣いてもほったらかしてるときあるし。

一見、女王に虐げられているかに見えるドレイですが
そもそも、愛がなかったらドレイになんてなれません。
女王の眠りを妨げず
機嫌を損ねないための努力。
起こさないため、泣かさないための努力。
感心してしまいます。




わたしがもっとも共感を覚えたのは
「ヒヨ子1カ月」の話です。
もう、ひとコマひとコマ
書いてあることにほんとに涙出そうになりながらうなずいてます。
ひとつひとつ引用しつつ
ここにひっそり心情を吐露することとします。
長いうえにひがみ根性にまみれていますのでご注意ください。

母乳育児に関することです。
わたしも相当悩み、ネットを見ては泣く日々でした。

体重が増えていないからミルクを足すように、
と医師に言われるピロミさん。
出産前、ミルク育児に抵抗はなかったが
いざミルクを足すとなると
ものすごい罪悪感を覚えたといいます。
あー、わかるわかる!
なんでなんでしょうね?もう。
周りの人たちはなぜか母乳よく出るっていうのもいっしょです。
わたしも、近所の同じくらいの赤ちゃんのいる人とかの話聞くけど
ミルクを足してるって人に会ったことがないです。
で、自分はダメ母なのかって、追い込まれたのも同じ!
ミルクを足すと赤ちゃんが満足して
で、母乳で満たしてあげられないことが
悲しくて悲しくて悲しくてね。
母乳で育てたいっ、と思って
意地になって本とかネットとか調べまくるの。
でもその間にも赤ちゃん泣くから、
片乳出して吸わせながらマウスカチカチやったりして。
で、
「とにかく吸わせれば母乳は出ます。安易にミルクを足さないように」
なんていう記述を見ては
「おなかをすかせて泣くわが子にミルクを飲ませるのは
安易なのだろうか」
なんて思いつめてまた泣いてね。
「ふんっ、ママのおっぱいより哺乳びんのほうがいいのね」
なんてさめざめと。

あと、完全母乳に関するサイトの情報って
「ミルク育児を否定するものではありません」と書かれていても
ミルクに対する否定的な感情や
母乳育児をがんばれない人に対する優越感が
どうしてもうかがえちゃうのです。
後で知った育児のコツで
「ネットは見ない」っていうのがあったけどほんとにそうだね。

がんばれば出せる、
出ないのはがんばりが足りない
わが子のためにがんばれないで
ミルクに頼るのは・・・ダメ母
という構図ができあがっちゃうのですよね。
出産後の不安定なココロと、
赤ちゃんと24時間いっしょの
昼夜の区別ない密室生活が母を追いつめるのです。

人間は哺乳類、だから本来だれもが
母乳で赤ちゃんを育てられるようになっているのだ
という記述もよく見かけるけど
それじゃあ、母乳だけで育てられないわたしは
人間性どころか哺乳類性まで否定されている気がして。
さかなか小鳥にでもなればいい?
ああ、つまんないいじけかた。
人間の赤ちゃんは牛の赤ちゃんじゃないから
牛乳でつくられるミルクは本来、
人間に合わないっていう話も見る。
うちの子が牛の子じゃないことくらい
わ か っ て ま す け ど ?って感じ。

母乳が出やすい人とそうでない人、
体質の差って絶対あると思うんですよね・・・。
とくにマッサージとか、
たくさん吸わせるなどの努力をしなくても
母乳があふれ出てくる人もいれば
わたしみたいに、出産後数日は
マッサージをしてもらってもほとんど出なかった人も
いるんじゃないでしょうか。
だって、母乳がしみだしてきたときのための
パットなんていう品物を病院でもらったけれど
そんな状態にならないから、
わたしには必要なかったし。
搾った母乳を冷凍するパックが売られているけれど
あの袋の目盛、100mlとかある・・・。
ということは、
一回搾るとそれくらい出る人がいるということですよね。
わたしはためてためてやっと80くらいです。

たくさん出る人には余って困ってしまうとか
乳腺炎になってしまうなどの苦しみがあるのですが、
それでもやっぱり
母乳が豊富な人をうらやましいと思ってしまいます。

たくさん出る体質で
苦もなく完全母乳ができている人がいる。
出にくいから
吸わせて、調べて、泣いて、マッサージして、
吸わせて、赤ちゃんが泣き叫んで、吸わせて、
悩んで、吸わせて、吸わせて、
それでもミルクを足している人もいる。
努力足らないですか?知識足らないですか?

「べつに混合でいいじゃん」頭ではわかっていても
割り切れない、ほんとにそのとおりです。
わたしもミルクで育っていて
とくに体も弱いことはなく生きてます。

ダンナさんにあたってしまうのもわかるなぁ。
ミルク足したら機嫌よくなるし、とか言われたり
甘いもの食べようって言われたり。
気遣ってくれているのがわかるんだけど
そんなことしたら母乳に悪いのにっ、て言ってしまう。
でもおなかすくしイラ立ってるので食べてしまう。
だめじゃん・・・。

今、娘ユイは7カ月、
混合で育てています。
悩んで調べた末、オケタニの母乳相談室へ行き、
マッサージを受けたり指導を受けたりして
なんとか、ミルクを減らしましたが
完全母乳にはなりませんでした。
一日、二日間だけ完全母乳、っていう日ならありましたが。
月1回くらい通っています。
マッサージを受けるといつも、
たまっていた古い母乳がたくさん出てきて
よく出るいいおっぱいだって言われるんですけど
やっぱり、完全母乳にするにはつらいです。
どうしてもおっぱいだけでは泣きやまない、
寝てくれないことがあります。
そうやってなるべく母乳で、とがんばっていたら
体重が増えず、
成長曲線からはずれていきましたので
小児科でも相談したり
ミルクを増やしたりしました。
まだあいかわらず成長曲線の下のほうにいますが、
なんとか、近づいてきています。
寝返りも遅かったし
会う人ごとに小さいって言われるし
悶々とすることも多かったですが
まあ、元気に育ってます。

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