SSブログ

最期もひょうひょうと [マンガ]

お父さんが車の中で死んだことを
別れた家族は何も知らずに
新しい生活をしています。
それがいちばんぞっとしました。


星守る犬

星守る犬

  • 作者: 村上 たかし
  • 出版社/メーカー: 双葉社
  • 発売日: 2009/07
  • メディア: 単行本




おじさんと犬の遺体が
山の中に放置された車の中から見つかって
おじさんのほうは死後1年から1年半、
犬は死後3カ月。
おじさんが死んでからも
犬はずっとそばについていたことが推測されます。

前半はおじさんと犬がここにたどりついて死ぬまでのお話です。
後半は遺体が発見された後、
おじさんと犬の足取りをたどってみようとしたケースワーカーのお話です。

おじさんは車上生活者でした。
妻と離婚して住んでいたマンションを売り
住むところはなくて。
持病があって、失業していました。
家族に対して暴力をふるったとか、
酒癖が悪かったとかギャンブルをしたとか
浮気をした人というわけでもなく
普通の家庭の普通のお父さん、に見えるのです。

普通に生きている人が
家族や住む家をつぎつぎに失くし
車の中で死んでしまう・・・
そのことは衝撃的ですが
ここに至るまでのひとつひとつの段階は
きわめて現実的なので、怖くなります。

犬がずっとついていてくれて
死んでからだけどやっとケースワーカーに関心を持ってもらえて
だからといって救われたって感じはしないわけです。

おじさんは最初から最後までずっとひょうひょうとしていておだやかでした。
あくまでおじさんなりのやさしさと
それに応える犬のまっすぐさがせつないです。

nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

べるべるベルマーク育てて食べれば ブログトップ

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。